住まい

日本の住宅政策(住宅システム)は、大きく分けて、経済政策の一部としての持ち家と、住宅困窮者向けの非常に限られた公営住宅という体系であった。人口構成や社会状況が変わったにも関わらず、その政策理念がいまだに継続し続けていることによって、空き家が増加し、公営住宅が足りず、公営住宅が高齢化によってコミュニティ存続の危機に陥っている(政策的な帰結)。それに対して、大牟田で現実に起きている状況に向き合うことで、新たな住宅政策・住宅システムを構想し、構築していくことを目指している。具体的には、大牟田市営住宅において、行政や民間事業者等との協働のもと、相談支援・生活支援・アウトリーチ・居場所づくりが一体となった「ふらっと」を展開すると同時に、建て替えに伴う移転をサポートする取り組みを続けている。また、NTT研究所との協働において有識者との対話を行い、リロケーションダメージの言説を探るなかで着想を得た「エゴ・アイデンティティ(ego-identity)が持つ可能性」や「アイデンティティと場所の関係性」などを探索している。政策的な事柄についても、大牟田市や有明工業高等専門学校とともに、国の事業を活用し、検討を進めている。

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