ポニポニピープル Dialogue 009 坂口大輔
(3/5)想定外の「うずうず」
菊地玄摩 大牟田市健康福祉総合計画には、「うずうず」と名づけられた概要版がありますね。
坂口大輔 あれは私たちからすると完全に想定外でした。一般の方に馴染んでもらいたいけれど、今までと同じような計画の説明をしているだけの概要版では読んでもらえないだろうと。「どういうものがいいんだろうね」というやり取りをするなかで、さまざまな背景の「うずうずしてる人たち」に登場してもらい、「人」にスポットを当てたものにすると親近感が湧くんじゃないか、という提案を受けて作りました。
菊地玄摩 本編のコンセプトがそのまま飛び出してきたような概要版ですね。
坂口大輔 一般的な計画の概要版を見慣れている人から「なんじゃこりゃ」と言われたこともあります 笑。たしかに中身を説明してる部分が少ないのですが、あれは考え方や本質の説明をしてるんですよね。何を書いてるかをあまり細かく説明していない、概要というより「本質版」。共感を生むためのものです。
菊地玄摩 これまでにないものが提案されてきたときに、市役所側の立場で受け入れるのは、大変ですか?
坂口大輔 それは計画策定の段階からありました。原口さんが書いてきたものをそのまま上司に見せても通らないわけです。だから、計画の骨組みを作る時から、部長以下の職員とひとつひとつ協議する場を設けて、「この提案のままじゃ外に出せんよね」とか、「ちょっときつい言い方になってるよね」と言われながら、市としてたたき台をどう表現していくか検討しました。
菊地玄摩 なるほど。
坂口大輔 そういう下地があったので、概要版の提案はあまり引っかかった印象はなかったです。市役所内の通し方として、すでに計画の本編が出ているのでその筋を外さなければいいのかな、と考えていました。「本質を伝えたい」ということを否定する理由はないかなと。確かに他にないユニークなものなので、それでいいのかと言われたら難しい面もありますが、じゃあ何がいいかという代案がない、それを考えている余裕もなかったというのも実情だったと思います。「計画に書いてあることをそのまま伝えるのであれば、そこを切り抜いて伝えればいい」ということになりますし。インタビューした人たちの語りのなかから、計画の本質の部分が伝わり、共感してもらえるのであればよいと思いましたので、ポニポニの提案にのって進めました。今にして思えば、実現できたのは提案内容に共感できたからだと思います。
菊地玄摩 コンセプトを体現する仕上がりと、プロセスのお話に納得感があります。
坂口大輔 でも正直、途中まではでき上がるイメージがなかったです。人の紹介のページの次に、基本理念を説明するページが入ってくるのですが、そこが話の転換の肝なんだと思うんです。あの構成が出てくるまでは、なかなかわかりにくかったですね。