ポニポニピープル Dialogue 009 坂口大輔

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他にない熱量

菊地玄摩 ポニポニと産みの苦しみを共有されてこられたことが、よくわかりました。最後にポニポニについての印象を聞かせてもらえますか。

坂口大輔 優しくてユニークだと思います。普通はあんなに足を運んでくれないと思うんですよ。しょっちゅう来て、ヒアリングも一緒に行ったり、庁内のメンバーの話を一緒に聞きに行ったり、寄り添ってくれています。委託の関係だと、来られる回数の目安が金額から決まると思うんですよね。そういう考えを度外視して一緒に動いてくれている、という信頼関係はあります。そして自分たちと一緒に動いてくれて、自分たちとは違う考えを提示してくれるので、こちら側の考えを問われるんです。ポニポニが合わせてくれる部分もありますが、自分たちがちゃんと考えていないとやり取りができない。考える姿勢がないと、一緒にはやれないのかなという気がしますね。

菊地玄摩 ポニポニから「どう思ってるの?」と問いかけられる感じですか?

坂口大輔 そうだと思います。「本質を追求する」というのは、自分たちに対しても言われてると思います。僕はもともとそういう感覚を持ってるところもあるので、あまり違和感はないですが、ずっと問いかけられているという気はしますね。「腹の座り方」を問われている感じです。

菊地玄摩 元々坂口さんがお仕事に対して持ってらっしゃったモチベーションや覚悟みたいなものを、ポニポニが「それ見せて」と言ってくる感じなのかなと想像しました。

坂口大輔 ストレートにそう言ってくるわけじゃないですけどね 笑。 深掘りをしたり、そもそも論を突っ込んでいくということは、そういうことなのだと思います。

菊地玄摩 浦川さんは、ポニポニは「リサーチの量や熱量がすごいんだ」とおっしゃっていました。

坂口大輔 あの熱意や熱量はすごいですね。私たちよりも圧倒的に勉強してくれていて、十分に返せているのだろうか? と思うこともあります。国が発出しているいろいろな文書も、自分たち以上に読み込んでくれたり。私の方が詳しい部分もありますけども、そこはお互いで勉強している感じです。

菊地玄摩 その関係は続いていますね。

坂口大輔 健康福祉総合計画を策定している当時は、僕が担当で一緒に作業している感覚に近かったかと思うんですけど、今は課長職になっているので、会議には入るんですけど、作業はしなくなっていますね。

菊地玄摩 なるほど。作業するほうが好きですか?

坂口大輔 そうですね、やっぱり一緒に作る方がいいですね。でも今の位置関係も嫌いじゃないです。以前は「承認を取るプロセス」が多かったのですが、今は自分で決められるところが増えたので。立場が変わると、思ったようにいかないところもありますが、できることが増える部分もある。どっちがいいとは一概には言えないですね。

菊地玄摩 前線にいると、その手前に承認が必要になりますね。

坂口大輔 そうですね。どうしても最前線は上の意向をちゃんと踏まえないといけないじゃないですか。その気遣いが一個減ってるのは間違いないです。

菊地玄摩 坂口さんの決められる裁量の範囲は自分で決められる、特にポニポニが相手だと承認をつくる難しさはあるのかも知れないです。

坂口大輔 できるとこはできるし、できないとこはできない。理論立てて説明ができるのか、税金を使えるようなものなのか、という判断がある。それで言うと、どこにいてもやることはあまり変わらないと思います。

菊地玄摩 なるほど。最後に、今後に向けてポニポニに何か期待することを聞かせてもらえますか。

坂口大輔 計画策定だけでなく、大牟田市だけでは閉塞感があったり、想いがあってもなかなか次の一歩に繋がっていないところに、ポニポニが突っ込んできてくれたと思います。「本来こうあるべきじゃないか」というやりとりを踏まえて、現状を考えて、「こういう手があるんじゃないか」と一緒に考えられる第三者というのは、改めてとても貴重な存在だと思います。個人的には大牟田にずっと居て欲しい。彼らのノウハウを生かして自分たちで取り組むことも必要だと思いますが、できれば今後も関わっていければと思っています。

菊地玄摩 ぜひ、そうなるといいですね。ありがとうございました。

おわりに

菊地玄摩 ポニポニ設立の経緯や、その仕事ぶりが大牟田市役所の中からはどう見えるのか、とても貴重なお話を伺うことができました。職員としてポニポニと向き合う坂口さんご自身の姿勢もまた、とても印象的です。職務に忠実でいながら、そこに暮らす人びとのリアリティに寄り添い、そのうえ何が大事なのかを考え続けている坂口さんのような方たちの存在は、ポニポニにとっての希望なのだとあらためて認識することができました。

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