ポニポニピープル Dialogue 007 浦川一浩
(2/6)研修プログラムを一緒につくる
浦川一浩
元々は地区公民館のオンラインのスキルを上げて欲しい、と話していたのですが、それだけではもったいないと思いました。地区公民館の役割には、地域のデジタルデバイドに寄り添えるような情報をナビゲートできる人たち、原口さんが作った造語の「インフォナビゲーター」が必要で。それが地区公民館の職員であったり、地域包括支援センターの人だと思いました。なので公民館を核に支援をするインフォナビゲーターの意識づけのために、オンライン研修をやりました。通常だとZoomの操作研修になるのですが、楽しく研修を受けないと身にならないということで、Google Earthを使って旅行を企画してみよう、録画してYouTubeに配信してみようなど、いろんな仕掛けでみんなが楽しく研修できるように、ポニポニと一緒に話し合いながら構築していきました。
役所は委託して後はおまかせします、となることが多いじゃないですか。でもそれは一緒にやりたいという姿勢をすごく疎外する。一緒にやろうとするポニポニにとっては面白くないし、それなら違う業者とやってくださいとなる。一緒に作り上げるというところが、まさにポニポニらしいところですね。
鶴岡章吾 どれぐらいの人数が参加されたんですか?
浦川一浩 午前・午後・夜で3回に分かれて、おそらく60人くらい受けていると思います。包括センター30人くらいと、地区公民館30人くらいですね。
鶴岡章吾 研修は1日ですか?
浦川一浩 1回の時間は5、6時間なのですが、2ヶ月に分けて「コミュニケーション編」や「情報発信編」などがあり、その後も第3回、4回とGoogle Earthを使った研修もやりました。
鶴岡章吾 実施されてみてどんな印象だったのでしょう。
浦川一浩
今では当たり前な話でもあると思うのですが、その当時は知らないことだらけだったと思います。実践や体験をかなり丁寧にやっていただいたので、意識づけとして、オンラインでやってみようという動機ができたと思います。
苦手意識ってありますよね。パソコンが苦手な人や、オンラインは嫌だという人を、何とか引きずり出そうという僕らの狙いがあって。そんな難しいことをしなくて良いけど、これくらいなら出来るんじゃないですか、と。
鶴岡章吾 知らないと手を出しづらかったりしますが、ある程度わかってくると苦手意識もなくなったり、楽しさがわかってきたりしますよね。
浦川一浩 そうですね。「自分でやってください」ではなくて、伴走支援として一緒に考えたり、相談しやすくなる工夫をしたり、そういうサポートを丁寧にやっていただいたなと思っています。本当はたくさん集めて1回でやった方が良いんですけど、それでは手が回らないので、3回に分けました。
鶴岡章吾 丁寧にやるために小分けにしたということですか?
浦川一浩 端末の問題もあるんですけど、そういう面もありました。
鶴岡章吾 事業を組み立てていく中で、印象に残っているエピソードはありますか?
浦川一浩 NTT研究所の方や松浦くんもいらっしゃって、僕のオーダーを専門的な話にうまく噛み砕いて、こうやりたいんだということを上手に変換してくれました。想いを伝えると、それを変換して咀嚼してくれる感じです。専門的な話はわからないのですが、こういうことをやりたいんですというキャッチボールをかなり丁寧にしてくれたと思います。
鶴岡章吾 デジタル関係は技術の話になりがちですよね。やりたいことや想いの部分を拾い上げてくれたり、理解してくれるのは確かにポニポニらしいアプローチだなと思いました。
浦川一浩 何をやりたいのか、何をやらなければならないのか、みたいな問いはあります。ただ話をするわけではなくて、勉強して考えながら、自分たちなりに答えないといけない。ポニポニも一生懸命やってくれるから一緒に頑張らなきゃと。考えを持って会議をしたり、戦いではなく、お互い準備して話さないとダメなんだろうなと思いながらやっていました。
鶴岡章吾 どちらか片方だけが話している、進めているにならず、きちんとキャッチボールしながらなのは良いですね。
浦川一浩 そこは大事ですし、「委託」ではなく一緒に作り上げていく中で、お互いの関係性や考え方を対話で積み上げていくところがあったなと思います。
鶴岡章吾 積み上げていくことの良さはありますが、時間もかかりますよね。
浦川一浩 中身を考えてもらったり資料作成も合わせると…企画するだけでも3、4ヶ月はかかっていますね。
鶴岡章吾 研修のあとはどうでしたか?
浦川一浩 公民館では、地域のものを実際に見に行けない人や、移動出来ない人のために、ストリートビューを使って案内したり、Googleマップに写真をアップしました。現地に撮影に行った時はこうでしたよね、とそういうものを研修の振り返りで使ったりもしました。
鶴岡章吾 研修の時に限らず、写真や動画は地域の財産になりそうです。まとめておくと見直したりできますね。
浦川一浩 そうですね。Googleマップに2017年と2024年の写真を見られるようにしておけば、比較できたり。色んなヒントがあって楽しく活用できて、お金もかからず簡単にできることを提案していただきました。Googleスプレットシートは共有してみんなで一緒に作ることができるので、そういう体験もできました。
鶴岡章吾 負担がかからずに扱いやすいし、持続性もありますよね。
浦川一浩 民間では当たり前の話が、その当時役所では進んでいなくて。今ではアンケートも当たり前のようにGoogleフォームを使っていますが、その当時はみんな全く知らない状況だったんですね。便利で簡単、お金もかからないなら使ってみたらどうですかと投げたら、みんなやってみようかな、となって。その動機づけを研修の中でやっていただいたので、その後のオンライン講座で講師は横浜から繋いで、大牟田で会場を作ろう、となるきっかけにもなったと思います。