ポニポニピープル Dialogue 007 浦川一浩
(6/6)ぐるぐる回して、また元に戻す
鶴岡章吾 今後ポニポニとやってみたいことはありますか?
浦川一浩 「会議シンギュラリティ」や「労働供給制約社会」もそうなんですけど、僕たちが気づけない先の世界を勉強されているし、情報量も僕らとは当然違っているんで、それを大牟田に落とし込んでくれるということが、僕らの気づきだったりします。「会議シンギュラリティ」は面白くて。もう僕らの会議のやり方って予定調和で、もう時間を取っていても意味ないなと思います。原口さんやポニポニのように、言いたくないことを言ってくれたり、それ違うんじゃないですかと真っ正直に言ってくれる人はいないです。単純に「それでいいんじゃない?」「もうそれでいいよ」という話なら、もうAIに入ってもらって、ガツガツもっとこうしましょうと言ってくれた方がいいなとも思いました。ポニポニが新しい気づきや、もっと先の世界でこんな風になるから一緒にやりませんか、というものを提示してくれると良いなと思います。
浦川一浩 それから、どうしても僕ら行政はセクションで動いていく中の繋ぎ役で、例えば、僕と教育委員会が繋がって同じビジョンを作りませんかということを、今僕はなかなか言える立場ではないですが、ポニポニは一緒にできる立場にいるかなと思うので、先のことを提案していってもらったり、一緒に考えたり相談に乗ってもらいたいです。ポニポニが役所内の横串を刺してくれるということが、住民のためにもなるでしょうし。一人一人の可能性を引き出すことがとても難しい中で、ポニポニがやっている気づきだったり問いが、すごく重要な武器だと思うので、そこをポニポニだけに頼るわけではなくて、一緒に作れたらいいなと思っています。
鶴岡章吾 ポニポニのメンバーの人たちと話すのが楽しい、コミュニケーションを取るのが楽しいとおっしゃる方は多いですね。本人たちが深めていって、「こう思ってるんですけどどうですか」を、相手に対しても自分に対しても、いつでも問い立てができてる人たちだから、話してて楽しいし、気づきもたくさんあるんだろうと思います。VRの取り組みなど、全部がポニポニらしい切り口の活用の仕方で。デジタルというだけでみんな技術の話をしがちなんですけど。
浦川一浩 上っ面になりやすいところで、本質を見ているというか。そこはすごく勉強になるところだと思いますね。話しながら、もっと深く深くという形で掘っていったりするじゃないですか。でも最後にひっくり返して、また元に戻すんですよ 笑。
鶴岡章吾 そうですね。皆さんそれで進まないと言ってます 笑。
浦川一浩 崩して、でもまたぐるぐる回して、最初に戻していく。「グルグル・ダイアログ」や「うずうず」はすごい手法だと思います。結局誰から言われるわけでもなくて「うずうずしてやっていきたい」という単純な言葉なんだけど、意味をすごく考えているなあと思いますね。「ぐるぐる回して、対話して深めて、で、最後にまたひっくり返して元に戻す」「最初に言ってたことが自分のやりたいことだろう」と。
鶴岡章吾 そうですよね。それを一人でするとなかなか難しいので、対話相手と一緒に伴奏してくれて、自分も何かしらの形で伴奏してあげて。お互いのやりとりが、色んなところでの本質を見つけるきっかけになってるかなという感じがあります。
浦川一浩 自分たちも問われてくるから、自分が本当に何をやりたいのか、自分の潜在能力でもっとできるんじゃないかという話を引き出してくる。お互いの話の中で気づかされたり、やる気にしてもらったりもあるのかなと思います。
鶴岡章吾 動機づけと言われたところは、本当にそういう感じがするんですよね。
浦川一浩 「動機づけ」というのは僕らの言葉で、ポニポニにとっては「動機づけ」という言葉ではないと思います。「エンパワーメント」という言葉なのか、わからないけれど。そこに上手に突き刺していくというか、それに気づかせていくような。自然に気づかせないと動かない、それを上手にしていると思います。
鶴岡章吾 僕もそこがすごいと思います。
浦川一浩 もっとやれるんじゃないですかと言われたって、ただ言われただけではやらないわけじゃないですか。それを上手に「大丈夫ですよ、一緒にできますから」「こういう風にしたらどうですか」と言いながら。
鶴岡章吾 引っ張り出してくれる感じがありますよね。
浦川一浩 そこは社会教育的な話にもなるんですよ。「動機づけ」という言葉はポニポニと違うかもしれないけど、潜在能力を高めたり、やる気にしたりというところは、僕らの手法と同じです。
鶴岡章吾 必要なことですよね。
浦川一浩 個人の尊厳が無視されている世の中なわけじゃないですか。自分が自分の言いたいことを言えなかったり、やりたいことがやれなかったり。だけど「そうじゃなくていいよ」じゃないけど、そこが多分パーソンセンタードという、人間の本当のところを大事にしているという本質にまた戻っていくんだと思います。そこがね、ブレないようにしないとブレちゃうんです。社会がどうだ、現状がどうだというところを、たぶんポニポニは、ずらしていないんだと思います。そこは「その人がよりよく生きていくのか」「社会がよりよくなったらどうなるのか」という人間の尊厳だったり本質で。根本的なところは崩れるはずもないし、崩さないんですけど、社会の変化にも順応というかな、アジャストして、先を見てるから仮説が立てられていくんでしょう。そんなことで、前向いて「じゃあこうじゃないかな」でやってるわけですよね。それを、ちゃんと考えてやってるし、僕らよりも、1歩2歩というかもっと先を読んでいて。本質がずれていないと思います。
鶴岡章吾 常に考えて問いかけ続けているから、ブレない何かが見出せているんでしょうね。ブレそうになったら元に戻すというか。
浦川一浩 どうしてもブレていくじゃないですか。最初にビジョンを作っても、やっているうちにだんだん崩れていく。ビジョンが変わったりすることも当然あっていいんだけど、でもポニポニはずっと考えてビジョンを作っているから、そのビジョンって多分崩せないんです。逆に言うと、そのビジョンが正しいから、そこに行く。だけど大抵のビジョンはぼんやり作って「これ変えていいや」というところなんですよ。動きながら「もうちょっとこれ厳しいか」と思ったら変えるんですけど、それをもう変えないわけです。ずっと考えて公言しているんだと思います。よっぽどじゃないとずらせないだろうと。
鶴岡章吾 面白いですね。ずらさないから、色んな道を考えたり、色んな視点でそれを見てみたりっていうようなことができるのかもしれないですね。
浦川一浩 ビジョンをずらして到達できるようにすると、手法は変わらない。でもビジョンが決まっていて、それを崩さないとすると、今のやり方が違ってたら、それは違う方向を見つけていかないと、そのビジョンにならない。そこに柔軟性があると思います。柔軟性だけというか、ビジョンを崩すなら、どうとでもできるという話です。
鶴岡章吾 ありがとうございました。