ポニポニピープル Dialogue 007 浦川一浩

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いやいや、もうちょいできるでしょ

浦川一浩 動機づけや、やってみようというところがポニポニらしいと言われるかも知れません。一般的にそこが難しいんですよ。動機をどう上手に作っていくかが社会教育ではとても大事で、自主性がなければ続かないしやる気にならない。世の中は目的主義なので目的がなければ動かない。その目的のための動機をどう作っていくか、どう楽しくその場を作っていくかというところの考え方が、僕と一緒なんです。

鶴岡章吾 答えているけど考えていなかったり、動機づけがないとやりたいことすら見つからなかったりすることは多いですよね。動機づけの話は、ポニポニらしい引き出し方、考え方のような気がします。

浦川一浩 そうですね。オンライン研修は2年くらいやってもらったあと、その次の令和4年度から、3年間かけて地域のデジタルデバイドを解消するための事業をやることになりました。1つめがVR、2つめが研修の継続、3つめが実際の地域で起こるデジタル課題についてのインタビューでした。大牟田市役所のデジタル推進室、大牟田市教育委員会、ゆめタウン大牟田、地域の街づくり協議会、公民館でパソコンサークルの講師をしている人など、色んな人にインタビューをやってみようとなりました。

鶴岡章吾 インタビューはどんな感じでしたか?

浦川一浩 そのときはたまたま進んでいる地域を見に行ったんです。講師の先生が地域に住んでいて、毎週スマホ講座をしている。そういう人がいる地域ではスマホ活用が進んでいくのだと思いました。講師1人で地域の方10人くらいに教えているのですが、すでに地域の方たちのスマホの使い方は僕らより詳しかったりして。継続的にやることでハードルが下がっていくんだろうなと感じました。その地域のまちづくり協議会の会長さんは70歳くらいの方なんですが、デジタルやスマホに理解があって。それでスマホ講座ができていますが、そういった理解がないとその地域の一定層への普及が進まなかったりするんですよ。
例えば、ゆめタウンの店舗セール情報をLINEで受け取ることができるんですが、ある一定層はアプリを入れていなかったりします。ネットショッピングも良いのですが、やはり足を運んでもらうことがお店としても大事です。そのために公共交通機関が活用しやすい状況にあることが必要…など、課題はデジタルの話だけではないことに気づかされました。

鶴岡章吾 生活の課題ですね。

浦川一浩 はい。ゆめタウンの店長さんは、地域の方たちが買い物をして元気になって帰ってもらうことが地域貢献になると言っていました。そのためには交通も大事なんだなと思います。デジタルだけでなく色んな課題が複雑に噛み合っていて、でも社会をよくするためにはどうしたらいいのか。僕ら行政はセクションの話になるところを、ポニポニが横串を刺して、デジタルの話ばかりではないですよと上手に繋いでくれていると思いますね。どうしても行政は、福祉なら福祉のことしか考えませんが、交通が関係ないかと言われると実は関係があることに気づかされます。

鶴岡章吾 インタビューを通して行政としての課題を見つけつつ、地域や人の生活的課題も見えてきますね。

浦川一浩 そうですね。みんな困っているんだけど、その一歩をどうしていくかというところで。一緒に課題を聞いて「それは、こうしたら、こうなるかもしれんね」となったら一緒にやればいいし。他の部署だったら繋げば良いと思います。
役所内でもそういう人達が一定数いないと、単純に「契約を委託しますので、あとはお願いします」というお金の流れや人の流れだけで終わってしまって、全然関係性が深まっていかないんです。

鶴岡章吾 そうなると、根本的な課題や問題が解決できなくなったり、いろんな弊害がありそうですよね。

浦川一浩 役所は少数のところにどうしても手が届かなくて、その手前ぐらいまでしかいかない。本当にレアケースで困っているところまで手が出せるかというと、中々それは難しい。
ここまでかもしれないというところをポニポニは「いやいや、もうちょいできるでしょ」と気づかせてくれて。「もっとこういうことがあるんじゃないですか?」と見える化してくれると、行政でも掘り下げられるところはあります。それは住民のためにもなって、社会のためにもなっていくと思います。それも、市長が言ったから、議会が言ったからではなく。ある団体さんが一緒にやりますよと言ってくれて、やってみたら住民がハッピーになったり、「あのとき言ってくれなければ、私たちできなかったです」と思うことがありました。
一緒に考えて、一緒にやるということの大切さが、委託契約だと中々できていないです。

鶴岡章吾 一緒に掘り下げてくれるところが良い関係ですね。すごく心強いし、やる側ももっといけるかもと思います。

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